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研究成果

2026.07.29

美白やエイジングケアにおけるLVC(アスコルビン酸2-グルコシド)の働き

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)は、シミの原因となるメラニンの生成を抑制※1する成分です。本稿ではLVCの働きと研究データについて詳しく解説します。

※1 メラニンの「生成」を抑え、シミ・そばかすを防ぐ

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)とは

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)は、体内へ安定的にアスコルビン酸(ビタミンC)を届けるために開発された物質です。

アスコルビン酸は、人間が健康に生きる上で欠かすことのできない栄養素です。極めて多様な生理作用を持ち、抗酸化作用、コラーゲンの合成・維持、メラニンの生成抑制、鉄の吸収促進、骨形成の促進、免疫増強作用など他多数の作用が知られています。

しかし、アスコルビン酸は水溶液状態で高い還元活性を発揮する半面、化学的には不安定な物質であり、熱や光に弱いという性質があります。そこで、アスコルビン酸にグルコース(ぶどう糖)を結合させることで、化学的な安定性を高めた物質が開発されました(図1)。これがLVC(アスコルビン酸2-グルコシド)です。その特徴から「安定型ビタミンC誘導体」とも呼ばれています。
図1 アスコルビン酸2-グルコシドの構造式
LVCは口や皮膚から体内に摂取されると、α-グルコシダーゼという酵素が作用して、アスコルビン酸からグルコースが切り離されます。こうして体内で遊離したアスコルビン酸は、本来持つ多様な生理作用を持続的に発揮します。

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)の働き

アスコルビン酸にはメラニンの生成を抑制する作用があります。その誘導体であるLVCもメラニン生成を抑制する美白成分として承認されています。そのメカニズムの中心はアスコルビン酸による還元作用であり、2つの作用点が考えられています(図2)。

メラニン生成を抑制する

メラニンを生成する細胞であるメラノサイトは表皮の基底層に存在し、チロシンを材料としてドーパ、ドーパキノンを経て黒色メラニンを生成します。

皮膚にLVCを塗布すると、酵素によってアスコルビン酸に変わり、メラノサイトに作用します。アスコルビン酸の1つ目の作用点は、チロシンからできたドーパが、さらにドーパキノンへと変化する部分です。還元反応によりドーパキノンをドーパに戻すことで、メラニン生成を抑制します。

黒色メラニンを淡色化する

アスコルビン酸の2つ目の作用点は、メラノサイトが生成した黒色メラニンを還元し、淡色化するというものです。LVCはメラニン生成を抑制するとともに、できてしまった黒色メラニンに対しても影響を与える可能性があります。
図2 LVCによる美白作用のメカニズム

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)はメラニン生成を抑制した

ここからは、美白成分としてのLVCの働きを示すエビデンスを紹介していきます。まずはアスコルビン酸によるメラニンの生成に及ぼす作用を調べた試験結果を供覧します。

メラノサイトを培養すると、無添加の場合はチロシンからメラニンを生成し、黒く着色します。しかし、培地に予めLVC(10mmol/L)を添加した場合は、メラニンはほとんど観察されませんでした(図3)。すなわち、LVCの添加によりメラニンの生成が抑制されたことが示されました。
図3 LVCによるメラニン生成抑制作用

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)は黒色メラニンを淡色化した

次に、アスコルビン酸による黒色メラニンに対する作用を調べた試験結果をお示しします。

黒色メラニンを配合したゲルを作製し、その上に試験液を染み込ませたペーパーディスクを置き、3日間にわたり観察しました。その結果、アスコルビン酸のディスクと、LVC+α-グルコシダーゼのディスクの周囲では黒色メラニンの淡色化が観察されましたが、LVCのみのディスクとコントロール(無添加)のディスクでは淡色化しませんでした(図4)。
図4 LVCによる黒色メラニンの淡色化作用
LVCは皮膚内の酵素であるα-グルコシダーゼに反応することでアスコルビン酸を放出します。そのため、α-グルコシダーゼがない環境(=製品内)では還元作用を発揮しませんでしたが、α-グルコシダーゼがある環境(=皮膚内)では還元作用を発揮し、黒色メラニンの淡色化につながったと考えられます。

LVC(アスコルビン酸2-グルコシド)による老人性色素斑への影響

最後に、LVCの有効性を老人性色素斑で検証した研究をご紹介します。老人性色素斑が濃い被験者と薄い被験者を対象に、12週間にわたってLVCを塗布し、肉眼的な観察および明度スコアによる評価を行いました。

肉眼的な観察では、両者ともベースライン(0週)と比較して12週では老人性色素斑の色調が薄くなる傾向が観察されました(図5)。
図5 LVCによる老人性色素斑の軽減
また、明度スコアによる評価では、LVCを含まない(0%)場合と比較して、LVCを含む(2%)場合は4週後および12週後に有意な変化を認めました(図6)。
図6 LVCの塗布期間と明度スコアの関係
このことから、LVCは老人性色素斑の軽減に寄与する可能性があることが確認されました。

まとめ

LVCはその還元作用により、表皮のメラノサイトにおけるメラニン生成の抑制をもたらす美白成分です。このLVCおよびメラニンの排出を促進するAMP(アデノシン一リン酸二ナトリウム OT)の2つの美白成分は、肌の過剰なメラニンにアプローチし、透明感のある健やかな肌を目指すことをサポートします。

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